| 粟島鳥見旅 |
|
粟島行きの船が出る岩船港に着く前に,「お幕場池」に寄った。関越自動車道の渋滞で思ったより時間がかかり,日はすっかり昇って,少し暑いくらいになっていた。天気は上々。ここで,今年の粟島の鳥見の予想をする。
お幕場池の水面のカモはそれほど多くはなかった。期待していたシマアジもいない。だが,裏手の林に入っていくと,オオルリやキビタキ,エゾムシクイ,センダイムシクイのたくさんの声を聞くことができた。これは幸先がいいぞと思ったのだが……。 |
 |
|
高速船「あすか」が9時55分に粟島・内浦港に到着すると,すぐに民宿へ。お茶をいただき,荷物を預けると,すぐに鳥見の支度をする。手順は既に決まっている。島開きのイベントが始まるまでの2時間を,内浦地区の畑の鳥見で過ごすのだ。
同行の鳥仲間は,まず,粟島浦小中学校の校庭を見に行った。これも規定の行動。しかし,虫の知らせなのか,わたしは学校の海側にある「野馬公園」から見ることにした。そこまでのヤエザクラの並木に,オオルリやキビタキがいることがあるからだ。
しかし,そこには鳥の姿はなかった。そこで「野馬公園」をのぞく。以前,カラアカハラをみたところだ。しかし,そこにも鳥の姿はなかった。ちょっとがっかりしながらも,鳥が出を待っていたら,ヤエザクラの裏側の木に動くものがある。双眼鏡でのぞいてみると,シメくらいの大きさの鳥がいた。あいにく顔が見えなかったが,体に赤味がある。脳内図鑑をめくってみる。もしかしたら……。そのうちに鳥は場所を変え,こちらを向いた。やはりイスカだった。 |
|

▲イスカ
|
イスカのことを同行の鳥仲間に知らせようとしたが,留守電になってしまうので,畑を見ながら探すことにした。ところが,畑の鳥がほとんど見当たらない。アオジとツグミだけはやたらにいる。ヒヨドリもたくさん飛んでいる。スズメも例年より多い。しかし,ヒバリやタヒバリの類いが全くといっていいほど歩いていない。
オオルリやキビタキもポツリポツリ。良い年には,林からあふれて畑の中の低い木にまで群れているのに,林の縁に行ってようやく声が聞こえる程度だ。ツグミ類も,ツグミはもう結構というほどいるのに,トラツグミ,マミチャジナイ,アカハラを単発で見たくらい。いったいどうしたことだ。 |
|

|
野馬公園の東側はもう海。コンクリートの防波堤の際には消波ブロックが並んでいるが,沖のほうに突き出したブロックの上には,いつもたくさんのウミネコがとまっているが,珍しくその先端にヒメウがいた。
ヒメウはここ数年,毎年見ているが,たいていは旗崎よりも北側の海岸で,しかも岸から離れた岩礁の上にいた。
スコープを付けたビデオでは,かなり遠くの鳥も大きく撮れるが,間の空気が厚いと映像が揺らいでしまう。その点では,この近さはありがたかった。
カワウやウミウ同様,翼を広げて乾かすところも見せてくれた。背中の緑色の光沢が強いのを初めて知った。 |
ヒメウを見ていたら,内浦の港から大漁旗を掲げた漁船が何隻も出てきた。島開きの行事,普通船の出迎えだ。沖を見ると,11時30分着の普通船が近づいてきていた。
普通船の乗客が下船すると,島開きが始まる。恒例の抽選があるし,昼食もとらなければならないので港に向かう。
残念ながら同行9名の誰にも賞品の魚は当たらなかったが,島開き会場で売っている1ヶ100円(みそ汁付き)の山椒味噌のおにぎりは相変わらず美味しかった。 |
|
| その後,仲間と「野馬公園」に戻る。イスカは松林に移っていた。 |
|
|
|
|
| イスカはかなり長い間松林にいて楽しませてくれたが,そのうちにマツの花粉が飛び始めた。好天気で気温が上がり,飛散のピークを迎えたらしい。初めはイスカが細い枝にとまると花粉が飛び散る程度だったが,やがて風で枝が揺れると花粉が舞うようになり,霞がかかったようになってしまった。喉がいがらっぽくなってきたのでそこを退散。 |
|
イスカ以外の鳥を見つけられないまま,夕刻を迎えた。最後に「野馬公園」をもう一度見に行った。
野馬公園では,過去にカラアカハラが出たことがある。そのときは隣の笹藪から現れたので,境のコンクリート塀辺りを探したのだが,何もいなかった。
あきらめて民宿に戻ろうとして海岸沿いの道を歩いていたら,頭の上で動く鳥がいた。コムクドリだった。あいにく枝が邪魔して撮れないうちに,コムクドリは奥に入ってしまった。5,6羽の群れだった。
奥はお墓になっていた。遠慮しつつ足を進めると,コムクドリは15羽の群れで木にとまっていた。このコムクドリを撮って,粟島初日の鳥見は終了。
|
|
|
この日の夕食。刺身,焼魚,煮魚,煮物,おひたし等々。コンニャクとレンコン以外は島のもの。美味しいが,量が多くて食べ切るのが大変。
夕食後は鳥合わせを行う。粟島に着くまでの「お幕場池」と「岩船港」「粟島航路」を合わせて43種。粟島に着いてからは42種。重複を除くと,計63種だった。前年の初日が70種だったから,数値的にはあまり変わらないのだが,今回は種類だけでなく鳥の数が圧倒的に少ない。離島ならでは,という鳥ではないが,イスカがいなかったら見るべき鳥がいなかったといってもいい。翌日以降に期待をかけるしかない。
早い人は午後9時には就寝。早朝から動くつもりだ。
少し経って,窓の外からアオバズクの声を頼りに,姿は見えないかと探しに行く。学校のそばのお堂の横に大きな木があるのだが,声はそこから聞こえていた。残念ながら姿は確かめられなかったが,気配は感じられた。これを加えて,初日の鳥は64種になった。 |