Portugal5 Lisbon - Cape de Roca - Sintra - Lisbon
ロカ岬 ルトガル観光最終日。最初に行ったのは,ヨーロッパ最西端のロカ岬。「ここに地終わり海始まる」と言ったのはポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイス。ポルトガルの犬吠埼といったところ。

 ただし,鳥はほとんどいなかった。ここだけは,世界遺産も修道院も関係なく,自然を見るのだからと期待していたのに……。
転落事故現場 カ岬での観光を終えてシントラに向けて出発して間もなく,突然の渋滞。こんな田舎道で,と思ったら,前方にレッカー車が。現地ガイドが「車が落ちたのだろう」と言っていると,添乗員が通訳。えっ,こんなところで?と不思議に思ったが,レッカー車が脇に寄ってバスが進んでいくと,道の脇は谷川のようになっていて,転落した青い車が潅木に引っかかっていた。なぜ落ちたのかは不明。そういえばポルトガルではガードレールをあまり見かけなかった。

 街中でも,大きな通りにはあったが,歩道がある二車線の通りでもガードレールがついていない道がほとんど。田舎道ではましてだが,そのほうが風景は美しい。ちなみに自動販売機もほとんどないし,ネオンサインもないし,看板も近づかなければ店の名前が判らないほど控えめ。便利さでは日本には到底かなわないが,こっちのほうが暮らしに落ち着きを感じる。

リスボン・シントラ地図


シントラの街と王宮 ルトガルの箱根,いや,湖はないから軽井沢といった雰囲気のシントラ。詩人バイロンが「エデンの園」と称賛したとか。山の中腹にある街で,14世紀に建てられた「シントラの王宮」は世界遺産になっている。
王宮の中 王宮のあちこちの壁にはアズレージョがある。派手さはないが,これが本来の色なのだそうだ。

 「白鳥の間」という部屋の天井に27羽の白鳥が描かれていた。27歳の王女の結婚の祝いだそうだが,当時の27歳というのは結構晩婚ではないのか。18枚や19枚なら可愛らしい感じもするが……。カササギの絵もあった。

マミジロキクイタダキ 宮の観光の後,街の散策の時間がとられた。もちろん,街を見るつもりなどなく,鳥を探す。ところが,王宮の前の道を進んでも,建物ばかりで鳥がいる気配はない。かなり急な斜面にある街なので,縦方向の移動は余りしたくなかったが,王宮の下のほうに緑があるのが見えたので,急な坂道を下っていった。

 坂の下には駐車場があり,その斜面に緑があった。鳥も結構動いているのが見えたが,余り時間的な余裕がない。とり合えず1種でも増やしておきたいと,今までに撮っているのは無視して,別の鳥を探す。  すると,潅木の中に小さな鳥の姿が見えた。Firecrest(Regulus ignicapillus;マミジロキクイタダキ)だった。日本にいるキクイタダキ同様,とても小さい。

 マミジロキクイタダキはイタリアのコモ湖で撮っていたが,ピントが合っていなかった。そこでここでなんとかしたかったが,とにかく暗かった。少し明るいところに出てくるのを待って撮ったのだが,背中側が撮れなかったのちょっと残念。この直後飛んでしまったので,ちゃんと写っているのはこの1枚だけだった。


ジェロニモス修道院 スボンに戻って昼食をとってから,市内ベレン地区にある「ジェロニモス修道院」へ。マヌエル1世が建築した修道院で、大航海時代の海外交易による富をつぎ込んで建築されたそうだ。

 建物は立派だったが,ここでも鳥はなし。
リスボン・ダカール それもそのはずで,とにかく人が多かったし,それ以上に修道院の前の広場には背景に不似合いな構造物が幾つも作られていてごちゃごちゃしていた。そして,それには見覚えがあった。なんと,パリ・ダカのスタート地点だったのだ。

 パリ・ダカールラリー。ご存知の方も多いと思うが,今回で30回を迎える世界的なアドベンチャーラリーだ。途中からスタート地点がパリではなくなり,今回はリスボン・ダカールラリーになっている。このラリーが始まったころに二輪免許をとり,2台目のオートバイは,ホンダが二輪総合優勝したときの「XL500改」をモデルに作られた「XL250R パリ・ダカール」にしたくらい,このラリーには興味をもっていた。当時は期間中,毎日深夜にテレビで経過を流していたが,ホンダのNXL750に乗るシリル・ヌブーやBMWのガストン・ライエたちが砂漠を疾走する姿は今でも記憶に残っている。前に乗っていた三菱パジェロを買ったのも,プロトタイプがこのラリーで活躍していた影響だったかもしれない。いかにも砂漠を走るといった雰囲気の車がこのゲートに現れるのをわくわくしながら見ていたものだ。そのラリーの開催を控えて,準備に大わらわという場面に出くわしたわけである。

 もっとも,日本に帰ってきてからのことだが,モーリタニアの治安が悪化したため,前日になって今回のラリーそのものが中止になってしまったというニュースが飛び込んできた。残念。

ベレンの塔 レンの塔(世界遺産)は16世紀にマヌエル1世によってヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を記念して作られたテージョ川の船の出入りを監視する目的の要塞だが,佇まいから「テージョ川の貴婦人」と呼ばれるそうだ。ジェロニモス修道院から直線距離で1kmほど。歩くのかと思ったらバスでの移動だった。川の上流に架かる「4月25日橋」の先には「キリスト像」が見えた。高さは110mあるそうだ。

 そのベレンの塔の900m上流側には「発見のモニュメント」がある。大航海時代の帆船をモチーフにし造られた高さ52mの記念碑は,エンリケ航海王子の没後500年を記念して1960年に建てられた。当然,世界遺産ではない。
ジェロニモス修道院 モニュメントにはエンリケ航海王子を先頭にザビエル、コロンブス、マゼラン、ヴァスコ・ダ・ガマ、カブラルなど大航海時代に活躍した英雄たちの姿が刻まれている。また,モニュメントの前の足元には世界地図がタイルで描かれていた。東ティモールが2002年に独立を果たし、名実ともに植民地を失った現在のポルトガルの,過去の栄光ここにあり。
ニシセグロカモメ っとも,鳥にとっては英雄は親しみを感じる存在なのかもしれない。帆船の舳先にいるエンリケ航海王子の頭の上には,ポルトの銅像と同様にニシセグロカモメがとまっていた。

 ポルトガルの鳥見は,カモメで始まり,カモメで終わった。冬のイタリア,夏のイギリスについで,ヨーロッパでは3カ国めの鳥見だったが,予想通りと言ってしまっていいのか,新しい鳥との出会いはあまりなかった。日本で見られるのと同じ鳥も多かったし,ヨーロッパコマドリやクロツグミ,ズアオアトリなど,定番の鳥ばかり。山のほうにでも行けば,もう少し違った鳥との出会いもありそうだが,観光旅行ということで都市部や都市近郊の似たような環境にばかり行くのだから,それもしかたのないことかもしれない。

 カメラに収めた鳥は,全部で26種。多くはないが,今回に限って言えば,今冬の秋ヶ瀬よりは鳥が多かったと納得するしかない。

Portugal6 Lisbon - London - Narita

リスボン空港 朝は6:30の出発にあわせて午前4時過ぎにリスボン空港へ。空港にはまだクリスマスの飾り付けが。1月3日くらいまではそのままらしい。

 まだ暗いリスボン空港を離陸したBA-499便はロンドンへ。幸い進行方向右側の窓側の座席だったので,曙光が見えた。

帰りのフライト ロンドン・ヒースロー空港での乗り継ぎ待ち時間は3時間余。外にも出られないので辛かった。

 そこからまた12時間ほどの飛行。成田が近づいて飛行機が高度を下げると,利根川河口と犬吠埼が見えた。2日前にユーラシアの最西端にいたことを思うと不思議な感じがした。


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