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カトゥーンバ渓谷のScenic railway の駅の駐車場を通り抜けて道路へ出た。道の両側は林になっていて鳥の気配は濃いが,薮が多くてかなり見づらい。
そのうちに頭上の枝に変わった鳥が現れた。高い木の枝にいてよく見える。が,灰色の背中にピンクの胸……。ピンクの鳥なら日本にもオオマシコやベニマシコがいるが,この配色は予想外で,一瞬うろたえてしまった。
鳥の名は,ハイイロサンショウヒタキ(Petrorica rosea : Rose Robin)。全長11cmの小さなヒタキだ。オーストラリアのヒタキの中でもとりわけ小さい。頭が大きいのでずんぐりして見える。
その近くには,さらに信じられない配色の鳥がいた。ムナグロオーストラリアムシクイ(Malurus lamberti or Malurus assimilis : Variegated Wren)。青と赤と黒の鳥だ。和名は「〜ムシクイ」,英名は「〜Wren」,分類は「ヒタキ」と,これまた不思議な鳥。(学名を二つ書いたのは,シドニーで買った2冊の図鑑で表記が異なっていたから。)
写真を撮りそこね,がっかりしているとき,野生のカンガルーが林の中を走った。
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集合時刻が近づいてきたので,駐車場方向に戻る。公園にさしかかったところで,黒い大きめの鳥がいるのに気づいた。
なんだ,カラスか,と思ったが,ちょっとスタイルが違う。一部,白い羽根もある。写真を撮ってから図鑑で調べる。黒い体に黄色の目,翼と腰と下尾筒に白い部分があるのは,フエガラス(Strepera graculina : Pied Currawong)となる。
この鳥もよく似た近縁種がほかに2種いるが,色や形,東部にいるのはこの種だけということで区別できた。
その後,バスに乗って行ったブルー・マウンテン観光の最終目的地の旧館……そこで昼食をとった……の庭で,ヒタキ科で冠羽のあるムナグロシラヒゲドリ(Psophodes olivaceus : Eastern Whipbird)と,日本のキバシリによく似たノドジロキノボリ(Cormobates leucophaeus : White-throated Treecreeper)をリストに加えた。
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フェザーデール・ワイルド・パーク(Featherdale Wildlife Park)は,この旅行最後の観光地。コアラに触れます,というのが売り文句の,要するに動物園だ。
これが旅行の最初だったら,下見のつもりで楽しめるかもしれないが,これまでいろいろな鳥を見,撮りのがしているので,外にいるほうがうれしい。そうしようかとも思ったが,その周辺は住宅地で,三脚を担いで歩くと怪しまれそうなのだ。そこで,しぶしぶ入ることにした。しっかり三脚を担いで……。
ほかの観光客はみなコアラ舎へ一直線に向かう。当然だろう。その中で,コアラには目もくれず,木の上をキョロキョロ眺めている人物は,周りから見てどう写っただろうか。住宅地ならともかく,ここなら気にしないけれど……。
それで,成果はあった。木の上には,白い大きな鳥がいた。頭と下湾した嘴が黒い。アフリカクロトキ(Threskiornis aethiopicus : Sacred Ibis)という70cmほどの鳥である。
動物園で飼っている鳥かとも思ったが,塀の外の林まで勝手気ままに飛んでいたのでそうではなさそうだ。
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 動物園の奥のほう,人気の少ないところに行くと,通路の低い柵にワライカワセミが置いてあった。いや,置いてあったというほうがぴったりというくらい,じっととまっていた。
おそらく,飛べないように風切を切ってあるのだろう。作り物のようにおとなしくとまっている。実は,ワライカワセミ(Dacelo novaeguineae : Laughing Kookaburra)は,ブルー・マウンテン行きのバスの中から何羽か見ていた。牧場の中の木の枝にとまっていたが,葉のない,比較的低い枝が好きなのか,見た個体が,どれもほぼ同じような場所にいた。
野生ではないが,記念写真を撮る。全長が45cmほどあるので,500mmレンズでは近すぎて,全身が入らなかった。
ちょっと離れたところには,オーストラリアに住むもう1種のワライカワセミ,アオバネワライカワセミ(Dacelo leachii : Blue-winged Kookaburra)がいたので,そちらも撮る。
あまりにじっとしているので,アオバネワライカワセミの頭を,イイコイイコしてやったが,微動だにしなかった。
売店で実物に近い大きさのワライカワセミのぬいぐるみを買った。しかし,本物のほうがぬいぐるみっぽかった。
動物園から出たところで,イエスズメ(Passer domesticus : House Sparrow)を見た。オーストラリアで初めて見たスズメだ。
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オーストラリアは鳥を見るには絶好の国だ。
まず,鳥の種類が多い。図鑑には756種の記載があった。しかも,カラフルな鳥や変わった鳥(日本の鳥と比較すれば)が多い。一ヶ所で見ていても,新しい鳥が現れて退屈する暇がないほどだ。
そして,どこででも鳥が見られる。たとえ都会でも,日本とは街の造りが違う。鳥が棲める空間がしっかり確保されているのだ。
さらに,国旗のユニオンジャックが示すように,イギリスの流れをくんで,鳥を「見る」という環境ができている。図鑑もしっかりしたものが何冊も出ている。
今回は北部のごく一部と東部のごく一部しか見ていないわけだが,さらに広がる大地の奥への興味はつきない。
いつか再び訪れて(今度は鳥を主体に……無理かな?)みたいと思える,楽しいオーストラリアの旅だった。
・・・・・・終わり・・・・・・
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