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ケアンズ空港に着いたのはまだ夜が明けやらぬころ。8月のオーストラリアはまだ冬。南回帰線より北とは言っても涼しい。
ツアー一行を乗せたバスは,一路,ポートダグラスに向けて北上する。右の車窓には薄暗い海が広がっている。グレートバリアリーフのはずだが,こう暗くては日本の海と変わるところはない。
せっかくオーストラリアに来たのに,実感が湧かない。深夜に飛行機に乗り,しばらく起きていたために眠いこともある。時差が1時間しかないので,半徹夜状態で起きたときの感覚だ。海岸沿いの道路がくねっているために,かろうじて起きている……。
鳥見を始めてからは,初めての海外旅行。見たことのない鳥が見られるという期待はあるが,興奮はしていない。というのも,純然たる鳥見旅行ではないからだ。家族全員でのパック旅行。当然制約もある。しかも,出だしがこの暗やみ。飛行機の荷物棚に無理やり押し込んで持ってきた大型カメラバッグには,使い慣れた500mm望遠レンズが入っているが,はたして出番があるのだろうかと,ちょっと不安になる。
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ポートダグラスでの宿は,ホテル・ラディソン・ロイヤル・パームス。(このページをモディファイした時点ではその名前のホテルはない。名称を変更したようだ。)バスがホテルの前に着いたころには,もう夜が明けていて,青い空がまぶしかった。
ホテルのエントランスから屋根を見上げると,避雷針に鳥がとまっているのが見えた。また,ロータリー近くの地面には小さなハトが歩いている。これを見たら,途端に勇気百倍。すぐにでもカメラを出したいところだったが,その前にチェックインを済ませなければならない。
ところが,悲しいかな家族旅行。いろいろと予定が入っていた。ポートダグラスの港から船に乗ってリーフ上の施設アウターバリアリーフ・ポンツーンというところに行ったのだが,そんなこともあって1日目はほとんど鳥見ができなかった。
集中して鳥見ができたのは,2日目の朝。まだ薄暗いうちから起きだして,外に飛びだしたのは言うまでもない。
最初に撮ったのはカバイロハッカ(Acridotheres tristis : Common Myna)。ホテル到着時にエントランスの屋根で出迎えてくれた鳥だ。群れているところもシルエットも,日本のムクドリそっくりで,親しみがもてるが,くちばしと目の周りが黄色でムクドリよりずっと鮮やかできれいだ。
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やはり到着時に見た小さなハトを撮ろうと,辺りを探す。ところが,なかなか見つけられない。しかたなく,駐車場のほうに回ってみる。すると駐車場脇の木の高い枝に,7〜8羽の鳥が群れでとまっていた。黄色い下面がとても目立っていた。
チモールメガネコウライウグイス(Sphecotheres viridis : Timor Figbird)という鳥で,コウライウグイスの仲間なのだそうだ。27〜29cmと結構大きいが,見た感じはムクドリに近い感じだ。
群れは♂と♀で構成されていた。♂は目の周りが赤く胸から腹にかけて鮮やかな黄色だが,♀のほうは目の周りが赤くなく,下面は白くて縦斑がある。雌雄の色があまりに違うので,初めは同じ種の鳥とは思えなかった。
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小さなハトの正体がわかった。チョウショウバト(Geopelia striata : Zebra Dove or Peaceful Dove)だ。
正体を知るまでは,動物園で見たウスユキバト(Geopelia cuneata : Geopelia cuneata)かと思っていた。ウスユキバトもオーストラリアにいる。両方とも全長20cmほどで,色合いも似通っている。
違いは体の模様と目の色。
ウスユキバトは名前通り翼に雪が降ったような白い小斑点がちりばめられているが,チョウショウバトは顔と腹を除いて横班が並んでいる。模様の美しさではウスユキバトの勝ち。
ウスユキバトの目は赤いが,チョウショウバトは黒で周りが水色。これはチョウショウバトの勝ち。やっぱり赤い目はちょっと不気味だ。
さて,チョウショウバトは,こちらがじっとしていれば逃げることはなく,その後,ホテルの庭の木の枝にとまっていた個体も,ゴルフ場にいたペアにしても,長い間被写体になってくれた。フレンドリーで可愛らしく,持って帰りたいと思ったほどだ。
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