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ロンドンの朝は雨で始まった。しかし,鳥見をあきらめることはできない。この日の朝食は,なんと6:00から。バス出発時刻は7:30。ロンドン市内を回るだけなのに,なぜこんなに早く行動するのだろうか。
朝食を済ませ,その日の行動に必要なものをディパックに入れて7:00に行動開始。ホテルの横の芝生に向かう。5階の部屋の窓から,セキレイがいるのが見えたからだ。ところが,分厚い雲の下,非常に暗い。歩いているセキレイの動きはとても速いので,ブレているものばかり。なんとか顔の辺りだけが止まっているのを選んだが,翼の辺りは流れてしまっている。鳥はハクセキレイ(Pied Wagtail)で,亜種タイリクハクセキレイ。左の個体は成鳥♂の夏羽のようだ。右は若鳥だろう。以前,エジプトで見た背中が灰色の個体は,図鑑によると♀らしい。このホテルには連泊するので,翌朝もう一度ねらえば♀も撮れるかもしれない。(と思ったのだが……。) |
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ホテルは市の中心部からは離れているので,バスで市内に入る。市内のあちこちを見て回るが,朝早いため,ほとんど観光客がいない。静かだが,不気味でもある。
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バ少し時間をかけたのが,クィーン・メアリー・ローズ・ガーデン(Queen Mary Rose Garden)。
正直言って,こういうのは大の苦手。野生の植物ならともかく,人が植えたものにはあまり魅かれない。門の少し手前にあった池で待とうかとも思ったが,出口が違うと困るので,仕方なくついていく。
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ところが,うれしい誤算。バラが咲いているところまで行く間に池があり,たくさんの鳥が泳いでいた。その先にトイレがあるので行き,ついでにバラの写真を1枚だけ撮って,すぐに池に引き返した。しかし,よくよく見ると,そこにいるのはアカハシハジロやアオメリカオシなど,どこからか連れてきた鳥ばかり。まるで狭山・智光山公園の子供動物園のようだ。
 
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やる気をなくしてしまったが,ネイティブの鳥だけは撮っておこうと,風景写真用の CoolPix S4 でアオサギ(Grey Heron)とオオバン(Coot)とバン(Moorhen)を撮る。(雨が降っていたので一眼は出さなかった。)
アオサギはこれまでにも飛んでいるところを見かけていたが,ほかのサギは見ていない。図鑑によると,アオサギはほぼ全土で留鳥になっているが,コサギとヒメヨシゴイ(見たいなあ)が南の海岸地方で見られる以外は,ヨシゴイがイギリスの南半分で越冬するだけで,Egret のたぐいはいないらしい。
バンは親子でいたが,ちょっとしたドラマがあった。遊歩道を歩いていたら,バンの親がこちらの存在に気づいて逃げ出し,その後をヒナが追った。よせばいいのに,親は池に流れ込む小川を渡ろうとした。ヒナは必死についていこうとするが,小さな段差を越えることができない。ちょうどそこに,地元の人らしい女性が老婦人(おそらく母親だろう)の車椅子を押してやってきた。「何を撮っているの?」と聞いてきたので,「Moorhen」と答えると,老婦人が小川をのぞき込んで,「まあ,可愛い」というような歓声を上げた。しかし,その直後,ヒナは下流に流されてしまった。老婦人は「Oh! No!」と叫んだが,ヒナが橋の下をくぐって下流の浅いところにたどりついていたので,「Safe!」(文法的にこれでいいのか?)と知らせると,「Oh! Safe!」とにっこり笑った。
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バラ園を出ると,次はバッキンガム宮殿へ衛兵の交替を見に行く。雨が降っていれば中止のはずだったが,ちょうど雨が上がったのだ。誰の心がけがよかったのか。
まず,バッキンガム宮殿に向かうために整列しているところを見てから,パレードの道筋へ先回りする。
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パレードが目の前を通過する。通過した途端に,また移動。宮殿前には人だかりができていたが,その中に入ってしまうと何も見えないというので,離れたところから見る。
しかし,離れたところからでも,結局何も見えなかった。
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衛兵交替見物の後,ツアーは三越へ。当然見るべきものはないので,外へ出るが,街中ゆえ,ただぶらぶらしただけ。三越での買い物タイムが終わると,その後は自由行動になっていたけれど,オプショナルツアーを入れてしまってあったので,やむなくついて行く。今になって計画段階でもっと関与しておけばよかったと後悔。
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オプショナルツアーに含まれていた昼食をすませ,行った先は大英博物館(British Museum)。
閉鎖空間が嫌い,雑踏が嫌い,待たされるのが嫌いな人間にとっては,こういう場所は大の苦手。エジプト関連の所蔵を見ているうちに気分が悪くなってきたので,早々と外に出る。
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博物館の次は,テムズ川クルーズ。濁った水は風情なし。いつの間にか眠ってしまい,起きてみたら,ロンドン塔の波止場に着いていた。そこからもう一つのオプショナルツアーまで時間があったので,家族と分かれ,Towers Hill駅からWestminster駅まで地下鉄に乗って移動,再集合地点のロンドン・アイ(B.A. London Eye)からそれほど遠くないセント・ジェームズ・パーク(St. James's Park)という公園に行くことにした。
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公園の池には,これまでに見てきた鳥が結構いたが,小鳥のたぐいはほとんどいなかった。
岸にいた鳥で多かったのは,ハイイロガン(Greylag Goose)。ヒシクイと同じくらいの大きさのガンで,嘴はオレンジ1色。飛んだときに翼の上面の灰色が目立つので,灰色の外套を羽織ったハイイロガンということなのか。
カササギもかなりいた。住宅街で見たときとは異なり,人馴れしている感じで逃げない。
鳥よりも多かったのがリス。1本の木に1匹というくらいの割合でいるようで,これまたベンチに座っている人の足元まで行っておこぼれをもらっている様子だった。
途中,10分ほど雷雨に見舞われた。ガラガラッと雷鳴が轟いた途端,鳥やリスが一斉に逃げ惑うという場面があったが,人間はこういう天気に慣れているのだろう,どこに持っていたのかレインコートを着たり,傘を差したりして悠然と歩いていた。急に天気が変わるのは,ロンドンではよくあることらしい。
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ロンドン・アイには,集合時刻の19:00少し前に到着。25人乗れるというゴンドラに乗り込む。高さ約135mの世界最大の観覧車は,1周するのに約30分。ウェストミンスター寺院やビッグ・ベンを眼下に眺めることができ,遠望もきくという話だったが,乗り込むと同時にまた雨が降ってきて,視界が利かなくなってしまった。
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翌朝,8:30にホテルを出発して,ヒースロー空港に向かう。鳥見の時間が少しはとれるはずだったが,カメラはトランクの中。
テロ未遂事件の影響で,機内持ち込み荷物に制限がかけられ,透明ポリ袋に入れたパスポート,財布,キー以外はだめになった。飲み物も持ち込めない。ターミナルの前には仮設テントが設けられ,軍なのか警察なのか,軽機関銃を持って警備に当たる人間もいた。ぞろぞろと並んで歩く人たちを見ると,難民キャンプを想像してしまうほど。珍しい光景だが,Nikon S4 も荷物の中なので撮ることができない。
さらに不安だったのは,荷物の重量。行きは,機内に持ち込んだPowerBook G4も荷物に入れなければならなかったので,総重量は27kgをオーバーしていた。Virgin Atlantic 航空では1人当たり20kgまでとなっているので,だめと言われたらどうするんだ。結果的には係員が黙認してくれたが,冷や汗ものだった。
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・・・・・・完・・・・・・
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