ホシガラス
乗鞍
------------------------------
●高山の鳥を見たいと思ったとき、「車で行けるできるだけ高いところ」を探したら「乗鞍」でした。車を降りるとなんと標高2700m。山上で見られるのはホシガラス、カヤクグリ、イワヒバリ程度ですが、機材が楽に運べることとあまり人を怖れない鳥が多いことから,写真を撮るには絶好の場所です。ライチョウとの出会いのチャンスもあります。
また、麓の乗鞍高原を探すのもおもしろそうです。鳥に加えて,オコジョ、アカネズミ、アナグマなどのほ乳類がいるので、そちらにも期待をもって深夜のドライブを続けるのです。

乗鞍
●肩ノ小屋口駐車場
 乗鞍高原から乗鞍エコーラインに入っていくと、国民休暇村を経て三本滝レストハウスに着きます。ここから道は勾配を増して狭くなり,急カーブが続くので,運転には細心の注意が必要です。スピードを控え,アカハラ,ウグイス,コマドリ,ビンズイ,メボソムシクイなどの声に耳を傾けながら登り続けると,冷泉小屋、位ヶ原山荘を通過し,約11kmで肩ノ小屋口の駐車場に着きます。
 畳平の手前のゲートが開いていない早朝は、ここに車を止め、ホシガラスを探します。ハイマツの上をガーガーと無表情な声で鳴きながら、ホシガラスが飛んでいきます。ルリビタキもいますが、幼鳥または雌がほとんどです。ウソの鳴き交わす声が時々聞こえますが,もう少し下った2100〜2500mの範囲の方が見つかる可能性が高いようです。
 真夏でも、夏スキーのメッカ、大雪渓から降りてくる風は身を切るように冷たく、しっかりした防寒の用意(ほとんど冬支度)を怠ると寒くて鳥を見るどころではありません。

●魔王岳
 畳平の駐車場(無料)に車を入れ、右手の魔王岳に登ります。階段があって、ハイヒールで登る人もいるくらいだから大したことはないのですが、夜を徹してドライブしてくるのと、重いカメラをかついでいるのとで、さすがに息が切れてきます。でも、頂上まで行けば、人の少ないうちはカヤクグリの家族がよく現れるので、楽しい一時を過ごせます。30cmにも満たない背の低いハイマツの上を、ヒガラの群れが移動している光景もよく見られます。
 北の方向には、朝日を浴びた槍ヶ岳が天を刺すようにそびえ、やや西に視線を移すと富山方向に雲海が広がっています。

●畳平
 イワツバメの舞う畳平の駐車場から南側眼下のお花畑が広がる畳平に降ります。遊歩道があって散策できるのですが、そこにはイワヒバリがいて、木道の上にも出てきます。イワヒバリはあまり人を恐れないので、じっとしていればかなり近くまで寄ってきてくれます。

●鶴ヶ池
 駐車場の東側の窪地には鶴ヶ池があります。この池の周囲のハイマツにはカヤクグリが多く、道端にも出ています。この池は水が十分にあれば首を伸ばした鶴の形をしているのですが、水不足の年は円形になってしまいます。そんなときは駐車場のトイレの水も使用できなくなります。

●大黒岳
 畳平から鶴ヶ池の南側の道をカヤクグリやビンズイの声を聞きながら歩くと,乗鞍エコーラインのゲートに着きます。大黒岳にはここから登ります。コマクサやイワギキョウが咲く道を登っていくと,途中少し岩場のようなところがありますが,たいして苦労することなく頂上に出ます。
 この頂上もほかのピークと同様に視界をさえぎるものは何もありません。雨模様でも石組みの休憩所で待っていれば,鳥が現れてもすぐにわかります。ライチョウの家族にはここで出会いました。ほかにはイワヒバリ,カヤクグリ,ルリビタキなどが時折ハイマツや岩の上に現れる程度。鳥があまり出なくても,魔王岳と違って人が少ないので,静かに流れゆく時間を楽しむのもいいかもしれません。

●肩ノ小屋
 畳平から南方向に行くと肩の小屋に着きます。この間は鳥はほとんどいません。また、肩の小屋に着いても、イワヒバリが少しいるくらいです。ただ、下の位ヶ原山荘の方の話では、以前ここでライチョウを見たことがあるとのことなので、ねばったことがあります。私は見られませんでしたが,可能性はあるので運試しにどうぞ。

◇高山植物
 標高2700mの畳平を中心に,乗鞍は高山植物も豊かなところです。コマクサ,イワギキョウ,ミヤマキンバイ,ミヤマダイコンソウ,ハクサンイチゲ,ヨツバシオガマ,コイワカガミ,イワウメ,チングルマ,コバイケイ,ゴゼンタチバナなど,鳥が見えないときでも退屈することがありません。もちろんとっていいのは写真だけです。

花の写真
高山植物の写真を見るならここをクリック!

乗鞍INFORMATION
  • 乗鞍に行くには,平湯峠からの乗鞍スカイライン(有料)を利用する方法と,乗鞍高原から乗鞍エコーライン(県道乗鞍岳線)を利用する方法があります。乗鞍エコーラインは無料ですが,7月にならないと通れないのと,朝7時までは山上のゲートが閉まっているのが珠に傷。それでも,途中いろいろな鳥の声が聞けるのが楽しみでもあります。

  • 乗鞍エコーラインは狭いので運転には気をつけましょう。特に行楽シーズンの休日は混みあいます。また,風景写真を撮るために路肩に停車している車もありますので,特にカーブ付近では注意が必要です。

  • 畳平は慢性的に水不足。トイレは有料で,飲み水も飲食店以外にはありません。予備の飲料水をたっぷり用意していったほうがいいでしょう。

  • 乗鞍はサンダル履きやハイヒールでも訪れることのできる山ですが,天候が荒れると高山の本性をむき出しにします。楽しい鳥見をするためには,服装,装備にも気を使いたいものです。畳平周辺だけなら,ハイキング程度の服装,履物に,防寒着,雨具を用意すれば大丈夫でしょう。

  • 乗鞍には高山植物もたくさんあります。鳥に夢中になって植物を踏みつけたり,登山道から外れたりしないようにしましょう。

三峰山へ 飛島へ 粟島へ INDEXに戻る