南古谷探鳥ガイド
--------------------------------
 お盆が過ぎて,オオヨシキリの声もあまり聞かれなくなったころ,南古谷の田圃では双眼鏡をぶら下げたりスコープをつけた三脚を担いだりした人達を見かけるようになります。名付けて「バードウォッチャーの秋の渡り」。もちろん,渡ってくるのはバードウォッチャーだけではありません。シギやチドリの秋のシーズンの開幕です。
 概要でも述べたように,ここでの探鳥は秋のシギ・チの観察がメインになります。春はまったく可能性がないとは言えませんが,大久保農耕地が田植えに入っている4月末から5月初めにかけて,ここではまったく水気がないという状況です。大久保に行ったほうが賢明でしょう。
 反対に,秋の渡りのシーズンの初めのころは,ここの稲はまだ青々としています。大久保農耕地の田圃の水を落とすころでも,田圃には水がたっぷりあります。田植えが遅い分,稲刈りも遅いわけです。特に水辺を好むタイプのシギ・チは,大久保よりもこちらを訪れます。
 点在する休耕田がポイントになりますが,田圃の畔やクロにも気をつけてみると,結構じっと隠れている鳥がみつかるものです。


●JR川越線より北側の水田
 水田の中央部を,北西〜南東方向に農業用水が走っています。この両側に点在する休耕田が主な探鳥ポイントになります。
 休耕田のシギ・チは警戒心が強く,人の姿を見るとすぐに飛んでしまいます。鳥を見つけてもすぐに近づかずに,少し離れたところから観察したほうが長い時間観察できます。できれば,双眼鏡だけではなく望遠鏡がほしいところです。
 水が溜まっている休耕田では,タカブシギを見ることが多いのですが,クサシギ,アオアシシギ,ウズラシギなどがいることがあります。また,コアオアシシギ,アカアシシギが入っているかもしれません。それから,水面に鳥の姿がなくても,周りの水田の際やクロの上などをじっくり見ることも必要です。タマシギがじっと隠れているかもしれません。
 水の少ないところでは,冬羽への移行期のムナグロが群れていることがあります。コチドリもよく見かけます。広い畦道の上にはジシギがたたずんでいるかもしれません。
 サギの仲間も数多く見られます。ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アマサギの白い姿はよく目立ちます。アオサギも見られますが,それほど多くはありません。ゴイサギは上空を飛んでいるところを見ることが多く,わずかに葦のある辺りでは,ヨシゴイが飛ぶこともあります。
 用水には,時折,カワセミが姿を見せます。他によく見られる鳥は,ヒバリ,セッカ,ツバメ,ハクセキレイなどですが,ツバメが少なくなるころには田圃の上を飛び交うショウドウツバメの群れが見られます。

南古谷の地図

●JR川越線より南側の水田
 こちらのポイントも休耕田であることは,北側と同様です。ただし,北側の用水沿いの道に比べて車の往来が多いので,注意が必要です。
 鳥の種類も似たようなものですが,休耕田の多くが車や自転車が通る道に面しているので,観察しやすい反面,鳥がいない可能性も高くなります。もちろん鳥を逃がしてしまう確率も高くなりますので,観察には注意が必要です。
 北側と比べると,観察ポイントとなる休耕田が広範囲に散らばっているので大変ですが,丹念に見て回ることが,たくさんの鳥を見つけることにつながります。また,日によって鳥の集まるポイントが決まっていることもありますので,それらしいところを見つけたらねばってみるのもいいかもしれません。タマシギの場合は特にそうです。

フィールドの概要 フィールドノート 「南古谷の田圃から」へ戻る